Dec 13, 2008

手遅れにしないようにデータ復旧

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 関電の株主総会に出席した大阪市の平松邦夫市長は29日午前、原子力から太陽光などの次世代エネルギーへの転換を積極的に推進する「脱原発」路線を取るよう意見表明した。

 大阪市は関電株の約9%を保有する筆頭株主だが、市長が株主総会に出席するのは初めて。平松市長は総会で自ら挙手して発言を求め、「電力会社が中心となって、新エネルギーの開発に取り組み、原子力から多様なエネルギー資源を活用する事業運営へと転換することが、企業の社会的責任を果たすことになる」と述べた。

 平松市長は総会を途中退席した後、報道陣に対し、「市民の生活を守る市長の立場から発言した。新エネルギーを探すために、市もアイデアを出し、(関電と)開かれた議論をしたい。今後は原発一辺倒にはならないだろう」と語った。

 ただ平松市長は、安全性が保証されるまでの全原発停止など一部株主が提案している議案については、「経営陣の判断を尊重する」として反対する意向を改めて表明した。

 同じく株主である神戸市、京都市もともに、同議案に対し反対する方針を明らかにしている。

 経済産業省が29日発表した5月の鉱工業生産指数(速報値、2005年=100、季節調整値)は88・8と、前月より5・7%増と大幅に上昇した。

 上昇率は現行の基準で統計を取り始めた05年以降で最大で、東日本大震災の影響で途絶えていたサプライチェーン(供給網)が復旧し、自動車業界を中心にした生産の回復が鮮明になった。経産省は生産の基調判断を4月の「停滞している」から「回復しつつある」へ5か月ぶりに上方修正した。

 業種別では11業種が上昇し、5業種が低下した。

 自動車など「輸送機械工業」は部品の供給体制が改善したことで前月比36・4%増と3か月ぶりに上昇に転じた。半導体製造装置や建設機械など「一般機械工業」は5・3%増と2か月連続で増加した。「化学工業」も8・7%増と堅調だった。

 関西電力、東北電力など全国6電力会社の定時株主総会が29日午前10時に始まった。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、関電、東北電の株主総会では株主から原発からの撤退を求める株主提案が出ているほか、電力不足への対策を巡る経営側の説明が焦点となる。

 同日に株主総会を開いたのは、関電、東北電のほか北海道、中国、四国、沖縄の6電力会社。大阪市内で始まった関電の株主総会には、過去最多の2212人(正午現在)が出席し、冒頭で八木誠社長が「原発の安全・安定運転に万全を期す」などと安全対策への理解を求めた。総会では個人株主から原発のあり方や電力の安定供給などを巡る質問が相次いだ。中国電、四国電の株主総会でも原発の安全性や定期検査中の原発の再稼働などの是非に質疑が集中している。

 関西電力は29日午前、大阪市内のホールで株主総会を開いた。原発事故を踏まえ、八木誠社長(61)は事業報告で「原子力に対する信頼が大きく揺らいでおり、非常事態と受け止めている。信頼回復に努めたい」と述べた。また、7月からの15%程度の節電要請について、「ご迷惑をおかけし、おわび申し上げる」と陳謝、役員全員が起立して頭を下げた。総会では原発推進の是非を問いただす質問が相次ぎ、原発の廃止を求める「脱原発」の株主提案が出されるなど、「原発総会」一色となった。

 午後1時現在の総会出席者は2242人で、過去最多だった08年の1523人を超えた。質疑応答の冒頭、株主から「原発事故に対して電力事業者として謝罪を」と発言があったが、議長の森詳介会長(70)は動議と見なさず、「お見舞い申し上げるが、意見として受け止める」と述べるにとどめた。「脱原発」を促す質問に対し、八木社長は「今後原子力政策全般に関して国民的な議論が起きるものと承知している。議論を真摯(しんし)に受け止め、対応したい」としながらも、「エネルギー自給率が4%と低く、原子力は重要な電源」と述べ、原発推進の方針を示した。

 総会には関電の筆頭株主で「脱原発」を目指す考えを表明した大阪市の平松邦夫市長が初めて出席。会社提案に賛意を示したうえで、「原子力から多様なエネルギー資源への転換が会社経営の安定にも寄与する」と述べ、中長期的な「脱原発」を求めた。再生可能エネルギーの活用についても提案したが、森会長は一括して、「貴重な意見として承る」とだけ述べた。

 関電は発電電力量に占める原発比率が5割を超えていることもあって、株主の関心は高く、「原発の安全性、経済性、環境性が今回すべて否定された。それでも推進する理由はあるのか」「全電源喪失の対策はしているのか」など、「脱原発」を訴える質問が相次いだ。森会長は午後0時半、質問打ち切りを宣言し、議案審議に移った。【横山三加子】

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